
部品で繋ぐグローバルビジネス
10億円規模のビジネスをゼロから立ち上げる
日本のモータリゼーションが急速に進んだ1960年代半ばに、私たちの先輩が現在の『OEM部品ビジネス』に取り組み始めました。
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、一般的には「相手先ブランドによる製造」と訳されますが、自動車や建設機械等の完成車メーカー向けに量産車の構成部品を納入する事が私たちの業務であり、60年代に日本の部品メーカーの製品を米国のGMやFordなどに売り込み、輸出販売を始めたのが私たちの起源です。以来、自動車・建機産業のグローバル展開と技術動向の変化に合わせて、部品メーカーの海外進出支援・輸出から輸入への転換・新興国とのトレード・投資も含めたビジネス等と商売の形態を変えながら今日に至っています。
その中で顧客である自動車・建機メーカーや部品メーカーのニーズに応える為に私たちが磨いてきた機能は、貿易や国際物流にとどまらず、サプライヤー発掘の為の情報力と技術的目利き・サプライヤーの品質/納期/経営状況の管理・部品や技術の売先を開拓するマーケティング等、多岐にわたります。私たちは製造メーカーではない為、取り扱う部品分野も業界のニーズや自身の強み、取組方針により柔軟に選択しており、昨今は電気自動車(EV)をはじめとする新エネルギー車の部品やコネクテッドカー化に対応する部品にも注力しています。
グローバルネットワーク
世界中に張り巡らされた伊藤忠グループのグローバルネットワークは私たちの貴重な財産です。
これは輸出入の貿易業務や各地の法務・税務等への対応に不可欠であるだけでなく、未開拓の調達先や販売先の生きた情報を収集することにも活かされています。
私たちのOEM部品ビジネスにとって重要な調達拠点/販売先である中国・北米・欧州・アセアン各国には、OEM部品専門のスタッフが揃っており、いくつかの拠点には駐在員を派遣しています。


技術的専門性
私たちOEMビジネス部の大きな特徴は技術的専門性です。
中国からの素形材・板金溶接部品の調達においては、部品の作り方・使われ方に精通し、顧客のニーズやサプライヤーの能力・特性に応じて、最適なサプライヤーを顧客に提案する事が必要です。
取り扱う部品分野は金属成形部品に留まらず、樹脂部品・電子部品・デザイン性や外観が重要な意匠部品、さらには新技術・新製品の用途を探る作業もあり、新しい知識を常に吸収しようとする姿勢こそが私たちの矜持です。
伊藤忠オートモービル大連事務所では技術系バイリンガル社員を多数揃え、新規サプライヤー開拓・商談の際の技術的通訳・量産開始後の品質対応に加えて、主要なサプライヤーの定期パトロールを行い、品質・競争力の維持に貢献しています。

物流機能・在庫オペレーション
一台当たり数万点あると言われる自動車の構成部品が一つでも欠けると、自動車組立工場のラインが止まり莫大な損失が発生します。私たちが調達・販売する部品は海を越えて届けられるものがほとんどであり、伊藤忠グループのグローバル物流機能により、最適なルートと高いコスト競争力で部品を輸送します。また、顧客に近い場所で安全在庫として私たちが保有・管理し、顧客の組立ラインにジャストインタイムで納入しています。
部品の安定供給が顧客にとっていかに重要であるかを理解して、日々のオペレーションを長年にわたって遂行している事で、顧客からの厚い信頼を勝ち得ています。


与信・決済・債権回収・金融機能
与信業務・代金回収を含む債権管理業務・為替業務は、輸出入による二国間・三国間での決済業務を行う上で、商社業務の基本中の基本です。
製品開発や製造などのコア業務に特化したい顧客に代わってこれらの業務を円滑に間違いなく行う事は勿論、必要に応じて金融機能によって顧客や仕入先に対し財務的なサポートも提供しています。